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【なでしこ短信】皇后杯、INAC神戸が2連覇

優勝し皇后杯をかかげて喜ぶINAC神戸の選手たち
優勝し皇后杯をかかげて喜ぶINAC神戸の選手たち

金子悟=文・写真
 
 皇后杯は25日、千葉・フクダ電子アリーナで決勝が行われ、PK戦の末、INAC神戸が初優勝を狙った新潟を破り、2大会連続6度目の優勝を果たした。

後半、ドリブルで攻める新潟・大石(右)とマークするINAC神戸・甲斐。甲斐はこの試合を最後に引退し有終の美を飾った
後半、ドリブルで攻める新潟・大石(右)とマークするINAC神戸・甲斐。甲斐はこの試合を最後に引退し有終の美を飾った。

 前半、新潟がハイプレスをしかける。INAC神戸のパスミスを誘ってボールを奪うと、右サイドの佐伯、左サイドの八坂がペナルティエリアに切れ込んでシュートに持ち込むなどチャンスを作る。これに対し、INAC神戸はカウンターで応戦。中島のミドルシュートがクロスバーを叩き惜しいシーンを作るなど、前半は一進一退の攻防が続いた。

後半、ボールをキープするINAC神戸・杉田
後半、ボールをキープするINAC神戸・杉田

 後半、INAC神戸が動く。後半開始から、伊藤に代えて杉田を投入すると、「ボールの位置を高くできるよう修正した」(INAC神戸・松田監督)INAC神戸が攻勢に出る。これまで新潟に奪われていたセカンドボールを杉田が拾うようになると主導権はINAC神戸へ。そして、後半21分、INAC神戸は大野に代えて増矢を投入。松田監督は90分で勝負を決めにかかった。ところが、「ハードワーク、ひたむきさ、泥臭さがチームの特徴」(新潟・辛島監督)の新潟が体を張ってゴールを守ると、シュート10本を浴びながら無失点におさえ勝負は延長戦へ。

PK戦でシュートを止めるINAC神戸・武仲
PK戦でシュートを止めるINAC神戸・武仲

 延長戦に入っても両チームは決め手を欠き、無得点のまま迎えたPK戦。INAC神戸・武仲が、新潟の7人目のキッカーの渡辺のシュートを止めると、最後はINAC神戸・増矢が決めPK戦を5−4で制し、皇后杯2連覇を果たした。

【なでしこ短信】皇后杯、新潟とINAC神戸が決勝へ


試合後、サポーターにあいさつする新潟・八坂(左)と中村

金子悟=文・写真
 
 皇后杯は23日、準決勝2試合が行われ、今季3冠を狙う日テレに競り勝った新潟と、延長戦で仙台を突き放したINAC神戸が決勝に進んだ。


前半、左サイドをドリブルで突破する新潟・八坂(右)

 新潟は、動きの固い日テレに対し、左サイドの八坂のドリブル突破でチャンス作る。得点は奪えなかったものの、「前半を0−0で折り返せたのがこの試合のポイントだった」(新潟・辛島監督)ように、前半を無失点でおさえたことが、前回大会で新潟に敗れていた日テレに焦りを生んだ。


後半、競り合う新潟・中村(右)、日テレ・籾木(右から2人目)、新潟・阪口(左から2人目)

 日テレは後半、新潟の左サイドの攻撃に対応するため土光に代えて上辻を投入。しかし、日テレの対応策を尻目に、後半8分、新潟・八坂が右足で決め新潟が先制した。その後日テレは、トップにポジションを上げた阪口へボールを集め反撃を試みたものの、逆に中盤のスペースが空いてしまったことでボールを失い終始主導権を握ることができず、0−1で新潟に敗れた。


延長前半、競り合う仙台・川村(左)とINAC神戸・増矢(中央)

 INAC神戸と対戦した仙台は、15分にINAC神戸・道上に先制点を許すと21分にDF市瀬が負傷退場。このアクシデントで、ボランチの川村が1列下がり最終ラインに入る。川村が最終ラインに入ったことで仙台の守備は安定したが、これまで担っていた攻撃の指揮を執ることができず、ボールを前に運べず守勢に回る。しかし後半39分、その川村がコーナーキックから頭で決めて同点に。試合を振り出しに戻した。


前半、先制点を決めるINAC神戸・道上(中央)

 延長に入り、同点に追いついて勢いを増し攻勢を強めた仙台だったが、延長前半12分と同後半3分に、途中出場のINAC神戸・京川にゴールを奪われる。これまで守勢に回ってきたことで足が止まってしまった仙台に反撃の余力はなく、1−3でINAC神戸に敗れた。


延長後半、チーム3点目のゴールを決めて喜ぶINAC神戸・京川(右から2人目)

 前回大会と同じチーム同士の対戦となった新潟とINAC神戸の決勝は25日、千葉・フクダ電子アリーナで行われる。

【なでしこ短信】2部ノジマ、7発大勝で首位キープ


試合後、なでしこジャパン初選出を祝福されるノジマ・高木

金子悟=文・写真
 
 プレナスなでしこリーグ2部第10節。開幕から無失点を続け8勝1分で首位のノジマステラ神奈川相模原と5位FC吉備国際大学Charmeの対戦は、ノジマ攻撃陣が爆発し7−1でノジマが大勝。今季最多得点で、20日、なでしこジャパンに初選出された高木を祝福した。


後半、シュートを放つノジマ・田中

 前半3分、ノジマは自陣でのクリアミスから失点。試合開始早々に開幕からの無失点記録が途切れた。今季初めてリードを許す展開となったが、「ビルドアップが良かった」(ノジマ・田中)ノジマが落ち着いてボールをつなぎ吉備国大を攻めたてる。すると前半18分、ノジマ・川島が狙いすまして左足を振り抜き同点とした。

 前半の早い時間に同点に追いついたノジマは、短いパスでつなぐだけでなく、長いパスで右の尾山、左の正野にサイドを走らせ吉備国大の守備陣を翻弄。そして、チャンスを量産していた前半41分、ノジマが逆転する。「最近思い切りの良いシュートが打ててなかったのでスッキリした」というノジマ・吉見がパンチの効いたミドルシュートを吉備国大ゴールに突き刺した。


後半、競り合う吉備国大・呉屋(左)とノジマ・PAO

 後半、攻撃の手を緩めないノジマはPAO MICHELLE(パオ ミッシェル)を投入。PAOが快足を飛ばしサイドを制圧すると、PAO自身もゴールを決め、後半だけで5つのゴールを重ねた。

 リーグ戦の折り返し初戦を7ゴールの大勝で飾ったノジマ。最後までゴールを狙い選手全員がハードワークできたのは、高木の、なでしこジャパン選出が大きな刺激となったからだろう。リーグ戦は残り7試合。試合後、ノジマ・菅野監督は「このまま昇格とは思っていない。これから試練があると思う」と話した。だが、今のノジマには、その試練に打ち勝つだけの良い風が吹いている。

【なでしこ短信】浦和、5連敗で最下位に沈む


後半、足がつりピッチに座り込む浦和・吉良

金子悟=文・写真

 プレナスなでしこリーグ第6節。開幕戦で日テレと引き分け、その後4連敗といまだ今季勝ち星がない浦和と、前々節、日テレとの直接対決に敗れ、これ以上勝ち点を失いたくないINAC神戸の対戦は、後半に得点を重ねたINAC神戸が4−1で勝利した。


前半、競り合う浦和・白木(左から2人目)とINAC神戸・田中(左から3人目)

 前半、風下の浦和は前線のFW白木に早めにボールを供給しINAC神戸の守備ラインを押し込んでいく。しかし、前線にボールが渡るものの、局面を打開できず決定的なチャンスには至らない。

 前半をスコアレスで終えた後半、浦和に待望の先制点が訪れた。50分、ここまで前線を走り回り献身的にプレッシングを行ってきた吉良が、猶本からのパスに懸命に右足を伸ばしてゴールに流し込んだ。

 しかし、追加点を狙い前線からのプレッシングを継続したその6分後、ゴール前の混戦からINAC神戸・田中に押し込まれ同点に追いつかれた。


90分、4点目のゴールを決め喜ぶINAC神戸・増矢(右から2人目)ら

 追いつかれ勢いを失った浦和に対し、INAC神戸は、なでしこジャパンとして実績を作りつつある、中島と増矢の二人を一気に投入。これで流れはINAC神戸へ。79分に逆転に成功すると84分にも追加点。90分、その途中出場の増矢がダメ押しの4点目を奪い勝負あり。INAC神戸が3試合振りの白星を手に入れ2位をキープした。

 一方の浦和は泥沼の5連敗。勝ち点1の最下位に沈んでいる。前線からの積極的な守備からすばやく攻撃に繋げるスタイルで主導権を握る時間があるものの結果がついてこない浦和。それだけに、浮上のきっかけを模索する日々はしばらく続きそうだ。

【なでしこ短信】日テレ、開幕戦はドロー


試合終了後、引き分けに終わり肩をおとす日テレイレブン

金子悟=文・写真

 26日、2016プレナスなでしこリーグが開幕。翌27日に行われた、昨季女王の日テレと浦和の開幕戦は1−1のドローで終わった。


前半、競り合う浦和・猶本(左)と日テレ・田中

 前半、浦和が前線から積極的にプレッシングを仕掛ける。序盤から試合の主導権を握ることに成功すると、7分、「落ち着いて空いているコースにシュートできた」浦和・後藤が冷静にゴール左隅に流し込み浦和が先制する。


後半、競り合う浦和・乗松(左)と日テレ・隅田

 球際の局面で後手に回っていた日テレが激しさを取り戻すと、後半は一転して日テレのペースに。そのきっかけとなったのが前線の若手選手だ。最前線で田中が体を張って起点となり、その田中をサポートする籾木、長谷川がドリブル、パスを織り交ぜながら浦和を攻めたてる。すると、74分、途中出場の隅田が混戦の中からゴールを決め同点に追いついた。

 その後スコアは動かずドローに終わったものの、「前線の若い選手が躍動してくれれば楽しいサッカーになる」(日テレ・岩清水)との言葉のとおり、開幕戦から見応えのある試合になった。若手選手の活躍は、この試合を視察していたU−20日本女子代表の高倉麻子監督に大いにアピールになったはずだ。そして、この日集まった2068人の観客も、「また見に来てもらえるような試合がしたい」(同・岩清水)という選手たちのプレーに、きっと満足感を得られたに違いない。
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